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工学部・水柿助教授の日常  作者:森 博嗣  出版社:幻冬舎                                         
 紹介:ある大学の助教授が日常を研究者としての独特な論理的思考で日常を観察する。 小説といいながら実は作者が大学の助教授なので自分の話しとして読み取れる。大学名もM大学(三重大学)、N大学(名古屋大学)など、登場人物も実際に居た人なんだなだと自然に思う。地名も本山や東山動物園のボートの話(そのボートにカップルで乗ると必ず別れる)など地元の話をリアルに書いてある。この小説に面白いところは、主人公水柿君(作中では水柿君と呼ばれている)の賢い理系の考え方を読んでなるほどなーと思えることと、理系大学での生活が書いてあること、あとは、人に共感されにくい水柿君のような理系人間の理解者として、奥さんの須摩子さんがいる事。奥さんは深い事とは気にしない 明るい人で、ミステリィー小説を読む事が唯一の趣味である。(作者は有名なミステリィー小説家なのでミステリィーについてよく書いてある)。水柿君は日常で起こった変わった出来事をことを、奥さんにミステリィー形式で話す。それを奥さんが聞いて、謎解きをしたり、文句を言ったりして二人は仲良しという感じ。水柿君が心を開く奥さんがいることで水柿君の考えていることが楽しく読める。 水柿君は大学助教授をやりながらミステリィー作家のなるのだが(作者本人もそう)、それまでの助手助教授としての大学生活が軽いタッチで書かれている作品でした。