読書       

               

・西の魔女が死んだ   作者:梨木香歩  出版社:新潮社                                             
 紹介:とびとびで読んだ。220ページで少ない量の本。イギリスに留学して現地のえらい児童文学者に師事して勉強した後、この西の魔女が死んだ、で日本児童文学者協会新人賞受賞。ちゃんとした本で、児童文学。内容はあまり覚えてないかも。クラスの女の子のグループ同士の付き合いから仲間はずれにされ、学校に行くのが嫌になった中学一年生の女の子の話。学校を一時休業しておばあちゃんが住んでいる田舎でしばらく生活することとなった。そのおばあちゃんがイギリス人で魔女の心得を持って主人公の女の子、まいを成長させるという話。魔女といっても話の中では特に超能力みたいなものはでてこずに、魔女としての心得、考え方見たいなものを普段の田舎生活をとおしてまいに伝える。 田舎表現、自然をとても細かく表現している。読んでいてこんなこと普通の生活じゃ絶対にお目にかかれないなという表現がたくさん出てくる。たとえば、まいが森で見つけたお気に入りの場所に対して、「小さな小鳥の胸毛を織り込んで編まれた、居心地のいい小さな巣のようなもの」とか。ちいさな小鳥の胸毛って想像できない。 あとひとつ印象に残っているのは、まいがおばあちゃんに「私やっぱり弱かったと思う。一匹狼で突っ張る強さを養うか、群れで生きる楽さを選ぶか…」と言った言葉に対しておばあちゃんは、「その時々で決めてはどうですか。自分が楽に生きる場所を求めたかといって、後ろめたく思う必要はありませんよ。サボテンは水の中に生える必要はないし、蓮の花は空中では咲かない。シロクマがハワイより北極で生きるほうを選んだからといって、誰がシロクマを責めますか。」と言う。この言葉に作者の言いたい事が結構表れていると思った。そのほかにもまいの心情で、皆口には出さないけれど、それぞれの幸福があり、また不幸もあるのだろう。と言ってた。